水管理システムの導入と可変施肥田植機の利用による水稲の低コスト・省力栽培
実証の背景・概要
(1)背 景
○現状水稲では、 ほ 場の肥沃度等が不明なまま施肥を行い倒伏してしまう、あるいは減肥して収量減となることがある 。また、水管理については作付面積 の 拡大・作付ほ場枚数の増加に伴い 作業負担が 大きくなっている。
○改善方向
田植時にリアルタイムで可変の側条施肥を行う可変施肥田植を行い、ほ場にあった肥培管理を行うと共に、施肥量の低減につなげる。また、水管理システムを導入することにより、水管理に係る作業時間の低減を図る。
(2)実証の概要
○導入機材及び面積
・可変施肥田植機(井関農機(株)さなえ PROJ 8 45a 2 筆)
・水位センサー、給水ゲート・給水バルブ((株)水田ファーモ):8 筆
○技術の概要
・可変施肥田植機はリアルタイムで土壌の肥沃度や作土深を測定し、可変施肥を行うことで、倒伏の軽減、減肥が期待できる。
・水管理システムは、スマートフォン等で、ほ 場の水位の確認や水門またはバルブの開閉を行うことで作業時間の低減が可能となる。

図1 自動バルブ設置の様子
実証の 成果
(1)成果
○可変施肥田植区では、3ヶ年とも慣行区と比較し基肥施用量が約20削減された。令和5年度においては、可変施肥をしない場合と比較すると2,400円 /10a 程度肥料代が削減されることが確認できた。また、倒伏も軽減され高品質、良食味の米が生産された。
○水管理システムでは、ほ 場の水の状況の確認や、入水に要する時間が自動水門で約60% R3 R5 )、自動バルブで約 80% R5 )削減された。
(2)課題
○可変施肥田植では、収量の低下を防ぐため、ほ 場にあった基肥量及び減肥率の検討が必要である。
○水管理システムは、より労力削減効果を発揮するため、設置するほ場の場所やその水利条件を考慮する必要がある。
(3)産地への波及効果
○可変施肥田植機の実演会には、基盤整備予定地区の生産者や大規模農家が参加し、高い関心が得られた。
○水管理システムについて、水管理の労力が大幅に削減されることから導入を検討する生産者がいる。
(4)今後の対応
○可変施肥田植機については、ほ 場整備予定地区など地力ムラが想定されるほ場や作付規模拡大で新しいほ場での作付を行う生産者や、肥料削減を目指す大規模生産者に向けて普及を図る。
○水管理システムについても、水管理労力負担の大きい大規模生産者に普及を図る。

図2 可変施肥田植機の様子
表1 令和5年度における水管理の時間(1筆あたり合計時間)

実証担当農家・産地より
○可変施肥田植機の実証区はふるい下米が少ないように感じた。肥料代が減らせるのは良い。(実証担当農家)
○水管理システムはどこにいてもほ 場の水の状況を確認できるため、非常に楽である。天気の急変などにも 対応できる 。 (実証担当農家)