ICTを活用したミスト噴霧によるきゅうりの高温対策
実証の背景・概要
(1)背 景
○現 状
近年多発する異常気象下における生産力及び品質の維持・向上や、生産者の高齢化による作付け面積減少が問題となっている 。
○改善方向
ICTを 活用した環境測定とミスト噴霧を組み合わせた高温 対策技術 を 実証し、露地生産者に対する施設化 の推進と 、 新たな 担い手における高生産 技術の早期習得を図る 。
(2)実証の概要
○導入機材及び面積
導入機材:ミスト噴霧器(フォガー 7800 (株式会社イーエスウォーターネット環境測定 装置(アルスプラウト(アルスプラウト株式会社))
実証面積:雨よけハウス(ミスト区・ミストなし区 各2a、つる下ろし栽培)
○技術の概要
ICTを活用した環境 測定及びミスト 噴霧を組み合わせた高温 対策。初回のミスト噴霧間隔については、きゅうりが過剰に濡れた状況が続かないよう、「一定時間ミストを噴霧したのち、葉に付着した水分が乾くまでの時間」を考慮して設定した。気象経過や、きゅうりの生育状況に伴い随時ミスト噴霧間隔を変更した。

図1実証機材(A: ミスト 噴霧器(矢印)、 B :ミスト噴霧ノズル、 C 環境測定 装置)
実証の 成果
(1)成 果
○ミスト 噴霧量が 120L/h/10a の条件下で、高温抑制効果が確認された。(図2)
○ミスト噴霧により病害の発生量増加が懸念されたが、病害 の発生量は両区とも小発生 で、差はなかった 。
○総収量 はミスト区、ミストなし区で同等だった 。なお、ミスト噴霧量 120L/h/10a の条件下 では、ミスト区の方が収量が多い傾向が見られた( 表1)
(2)課題
○ミストの噴霧量 120L/h/10a の条件より少ない噴霧量では、高温抑制効果 が得られなかったため(図2) 、120L/h/10a を基準として栽培した場合の効果を確認する必要がある。
(3)産地への波及効果
○夏季が高温で推移することが見込まれ、 暑熱 対策として今後 導入が見込まれる 。
(4)今後の対応
○実証 ほに おける栽培状況を定期的に確認しながら、指導会等の機会を活用して、試験研究機関等他の取組事例を含めて紹介する。

表1令和5年における各期間毎の収量(調査区からの換算値)

実証担当農家・産地より
○管内 で導入事例のない機器のため、生産者に向けた周知が重要だと感じている。( JA 担当者)
○環境 測定結果を基にミスト噴霧 の時間や回数まで制御 までできれば、生産性をより向上することができると感じた。(実証担当農家)