須賀川地域水田メガファーム現地実証
実証の背景・概要
(1)背景
○ 現状:須賀川地域の農業は、園芸品目や畜産と水稲の複合経営が主であり、大規模水稲経営が少ない。 →大規模水稲経営の運営に関するノウハウや省力化、省コスト稲作技術が普及していない。
○改善方向:収益性の高い大規模経営体の育成と生産力を押し上げる新技術の実証・普及活動を行う。
(2)実証の概要
○導入技術及び面積
・高密度播種移植栽培(23ha) ・農匠自動水門(農匠ナビ株式会社:2機) ・PaddyWatch(ベジタリア株式会社:10機) ・スマートアシスト(ヤンマーアグリジャパン株式会社:23ha) ・リモートセンシングによる葉色診断マップ (ファームアイ株式会社:22ha) ・葉色診断マップによる施肥マップ作成(ファームアイ株式会社:0.7ha) ・可変施肥ブロードキャスタによる可変基肥施肥(株式会社IHIアグリテック:0.7ha)
○実証技術の概要
高密度播種移植栽培による春作業の省力化、自動水門・パディウオッチによる水管理の効率化、 リモートセンシングでの施肥マップ作成・可変施肥ブロードキャスタでの可変基肥施肥による収量の均一化。
実証の成果
(1) 成 果
○ 高密度播種移植栽培により、慣行対比で田植え時間が75%、苗箱数は50%、 育苗ハウス面積は65%まで減らすことができた。 ○ 自動水門・ PaddyWatchにより、水管理巡回時間を63%に短縮することができた。 ○ リモートセンシングによる葉色マップにより地力差を把握することができた。 ○可変基肥施肥によりほ場内の地力差に応じた施肥ができた。 ○可変基肥施肥を行うことで、施肥が効率的になり、肥料代が削減できた。
(2) 課 題
○高密度播種移植栽培の育苗管理の徹底。 ○病害虫適期防除の徹底。
(3) 導入による産地への効果
○ 地域で自動水門を導入することにより、労働時間が削減できる。 ○ 地域で可変施肥を導入することにより、経営の合理化・安定につなげることができる。



3 実証担当農家・産地より
○高密度播種移植栽培は生育が安定し、育苗ハウス面積も大幅に縮小できた。
○自動水門は作りがシンプルなため、壊れにくく、耐久性もあり、使い勝手もいい。