環境測定とミスト噴霧を組み合わせたきゅうりの高温対策

令和7年度 県北農林事務所伊達農業普及所

実証の背景・概要

○ICTを活用した環境測定とミスト噴霧を組み合わせた高温対策ハウス内の高温を抑制する手段として、自然換気又は強制換気が行われているが、水を霧状に噴霧するノズル(細霧ノズル)を併用することで、気化冷却効果により、ハウス内の気温低下を促す。環境測定装置を設置し、ハウス内の気温と湿度(乾湿球温度差)に応じて自動的に噴霧量を制御する。

 

想定する普及対象

○品目及び作型:きゅうりの夏秋雨よけ栽培(含む:半促成+抑制)
○生産者:ハウス(施設)栽培導入農家。ハウス栽培で、生育途中に萎れや葉・芯焼けといった高温障害の発生が多いほ場。

 

実証の概要

(1)背景・目的
伊達地域は夏秋きゅうりの一大産地であるが、近年の異常気象により、収量や品質を安定させることが困難となっている。雨よけ栽培は、長期出荷可能な作型として拡大しているが、夏期の高温による萎れや葉焼けの発生による草勢低下がみられている。さらに夏期のハウス内作業は、過酷な労働環境で、作業効率の低下が問題となっている。そこで、ICTを活用した環境測定とミスト噴霧を組み合わせた高温対策を中心とした栽培技術のモデル実証ほを設置し、関係機関・団体等と連携のもと効果の検証と普及を行うことにより、産地全体の収量や品質の高位平準化を図る。

(2)方法
○導入機材及び面積
共通:環境測定装置:アルスプラウト内気象ノード(サカタのタネ)
各区面積:3a、定植日:令和7年5月1日
実証区:霧霧舞Ⅱ(MHC-2100)+ミクロンノズルS型
対照区①:設置無し 対照区②:新換扇Ⅱ(FHC-2100)
○技術の概要:アルスプラウト内気象ノードによる環境測定
(気温、湿度、日射量)を行い、ハウス上部に設置した簡易細霧
冷房循環ファンを定植後から高温期にかけて晴天時に噴霧。
○収穫量、秀品率、高温障害発生(株)率を調査した。

(3)成果
○実証区は対照区に比べ葉・芯焼け発生は少なかった。
また、収量及び品質は対照区①に比べ収量で124%、
品質(A品率)で104%となった。

4)産地への波及効果
○当産地では、高温対策として既に遮光資材の利用が進んでいるが、簡易ミストにも新たな導入の動きがある。
○十分な水源を確保し、自動かん水装置の活用が可能なほ場では、高温対策として導入が見込まれる。


写真1・2(左・右上)
写真3(右下)アルスプラウト内気象ノード

図1 収量及び品質調査結果

実証担当農家・産地より

○実証区は対照区に比べて、高温時の生育障害(葉・芯焼け)発生本数は少なかった。
○細霧で気温が低下し、高温時のハウス作業の環境改善に繋がった(実証担当農家)。