水稲育苗ハウスを利用したぶどう栽培の実証

令和7年度 南会津農林事務所農業振興普及部

実証の背景・概要

○既存の水稲育苗ハウスを有効活用した新短梢栽培法(※)による大粒系のぶどう栽培(図1) ※新短梢栽培法は、管理作業が単純で省力化され新規栽培者でも取り組みやすい栽培方法
○栽培管理の省力化を目的に自動かん水装置を導入

 

想定する普及対象

水稲生産者

 

実証の概要

(1)背景・目的
○寒冷地である南会津地方では、凍害のリスク等を回避するため、果樹はりんごが主に栽培されているが、面積が少なく、販売は直売が主体である。
○今後、収益性の高い果樹の生産振興を図るため、消費者ニーズの高い大粒系ぶどうを既存の水稲育苗ハウスに導入し、当地方においても安定的かつ省力的な生産が可能であることを実証する。
○併せて直売所での販売に適した包装形態を調査する。

(2)方法
○導入機材:果樹棚、赤色防虫ネット、自動かん水装置(スマジョロ)
○導入面積:1.9a(6.3m×30mの水稲育苗ハウス1棟)
○導入品種:「シャインマスカット」5本(4年生4本、
3年生1本) 「クイーンニーナ」1本(3年生)
○販売調査:箱詰め、簡易包装

(3)成果
○満開後110日には、糖度は16.5度まで上昇し収穫目安の17度に近づいた。また、着色指数は3.5まで上昇した(図2) 。
○令和7年の生育は良好で、収量は43.5kg/a(果実重の平均×果房数)となり、令和7年の目標収量を上回った(図3)。また、樹冠面積はハウス面積の約30%から約40%に拡大した。
○1樹当たりの労働時間は、作業に不慣れなことから房管理に時間を要したため、慣行栽培より長くなったが、かん水の作業時間は、慣行栽培の24%と省力化された(図4) 。
○販売形態では、箱詰めより簡易包装(写真2)で売れ行きが良かった。

4)産地への波及効果
○ぶどう栽培を開始した農家が2戸、令和8年から栽培開始予定の農家が1戸あり、栽培面積は着実に拡大している。

実証担当農家・産地より

○令和6年より着果量及び収穫量が増え、目標とする出荷量が確保できたことで収益を得ることができた。今後は、隣の水稲育苗ハウスにも自動かん水装置を導入し、栽培面積を増やしていきたい(実証ほ担当農家)。
○順調に生育が進んでいるので、今後の収量向上に期待したい(R7ぶどう新植農家)。