安達地域における水田自動水管理システムの実証

令和7年度 県北農林事務所安達農業普及所

実証の背景・概要

○自動水管理システムとは
水田の水位・水温などのセンシングデータや自動給水・排水装置の状況をクラウドに送り、ユーザーがモバイル端末等でモニタリングしながら、遠隔または自動で水位を制御するシステム。
今回実証した(株)farmo社の水田ファーモは、水位を測定する水位センサーと、入水を制御する開水路用の給水ゲートまたはパイプライン用の給水バルブ、クラウドと通信を行うファーモアンテナから構成され、水位測定機能のみでの運用も可能となっている。また、他のシステムで求められる通信費用が不要となっている。

図1 自動水管理システムの概要

想定する普及対象

○品目及び作型:水稲
○生産者:大規模経営する生産者(特にほ場が遠隔地に点在している生産者)

 

実証の概要

(1)背景・目的
○高齢者の離農等により、水稲経営体の大規模化が進んでいるが、労力不足等により規模拡大は限界に近付いている。水稲生産にかかる労働時間の1/4は水管理等の管理作業であり、規模拡大を制限する要因の一つとなっている。
○自動水管理システムを導入し省力化を図ることで、経営規模の拡大が期待される。

(2)方法
○開水路を利用する水田に、水位センサー及び給水ゲートを設置し、その稼働状況及び労働時間を調査し、省力効果を確認した。

(3)成果
○水位センサーの活用により、ほ場に行くことなく水位が確認でき、水管理時間を約3割削減することができた。給水ゲートの活用では、水管理時間は約7割削減できたが、水路の通水確保や刈草等のつまり除去などで現地に赴く事が多かった。

(4)産地への波及効果
○モデル的に遠方のほ場に水位センサーを設置することで、水管理時間の削減になるとの認識が生まれた。


図2 水位センサー(左)と給水ゲート(右)


表1 自動水管理システム導入時の効果(推定)

実証担当農家・産地より

○水位センサーの活用により巡回の回数を削減することができた。なお、繁茂した水稲の葉により水位が測定できなくなる等、今後の検討事項が残った。
(実証担当農家)。