ドローンを活用した湛水直播栽培の省力化及びマルチスペクトル生育診断と自動可変追肥による生育の均一化・品質向上
実証の背景・概要
(1) 背景
○ 現状:会津地域の水稲生産は、農業者の減少に伴い大規模稲作経営体への農用地集積が進んでおり、労力不足が問題となっている。このような中、ドローンの活用が拡大しているが、主に農薬散布の利用にとどまっている。このため、ドローンを多用途に活用し、省力的かつ安定的な水稲生産技術の確立が必要である。
(2)実証の概要
○ 導入機材及び面積
面積:100a(ほ場1:「夢あおば」50a、ほ場2:「天のつぶ」50a)
○ 技術の概要:水稲の播種(べんがらモリブデンコーティング)、除草剤散布、
葉色診断、追肥、病害虫防除をドローンにより実施し、省力化及び
収量・品質の高位平準化を図る。

図1 幼穂形成期(7/16)

図2 登熟期(9/11)
実証の成果
(1)成果
○ドローン直播は、慣行の田植えまでにかかる作業時間を削減できた(図3)。
○「夢あおば」は「天のつぶ」よりも苗立が少なかった。前者の方が千粒重が大きいが、播種量を乾籾重4kgと重量基準としたため、「夢あおば」の方が播種粒数が減少し、苗立が低下したと考える。
○全刈収量でも、600kg/10a以上確保できたが、過去2年と比較して減少しており、8月後半の高温による不稔の増加が要因と考える。
(2)課題
○品種特性に応じ、適切な播種深度及び苗立数を確保する。
(3)産地への波及効果
○ ドローンの新規導入や、活用方法の増加、直播栽培面積の増加により産地の省力・低コスト化が図られる。
(4)次年度の対応
○ドローン直播において飼料用米専用品種等の様々な品種を用いる場合、千粒重や倒伏耐性等の品種特性を考慮し、代かきや播種前後の水管理によって適切な播種深度及び苗立数を確保する。

図3 作業時間

図4 苗立数・穂数(本/㎡)

図5 収量(kg/10a)
実証担当農家・産地より
○ドローン活用によって、高価な箱処理剤や基肥一発肥料を従来の体系(安価な資材による適期防除や適期追肥)に戻すことで、資材費の削減や収量・品質の安定に繋がる。(実証担当農家より)