トマトハウスにおけるクラウド連携型環境制御システム 導入による安定生産

令和7年度 県南農林事務所農業振興普及部

実証の背景・概要

○導入機材
環境制御装置:Arsprout(センサー:温湿度、土壌水分、日射)
(図1)、 ドサトロンDR09GL(液肥混入機)、流量計、土壌水分計
○ 技術の概要
・環境制御装置とかん水同時施肥装置及び遮光資材を連動させ、遠隔操作や、環境に応じた自動制御を行うことで、作業の省力化と生育・収量の向上を図る。
・ハウス環境の見える化により、データを活用した栽培管理を実施し、安定生産を図る。


図1. 環境制御装置(気象ノード)と測定値のモニター画面

 

想定する普及対象

○夏秋トマト:5~11月出荷の作型、(ただし、促成トマト、抑制トマトでも導入可能)
○生産者:栽培の省力化、安定生産を目指す生産者

 

実証の概要

(1)背景・目的
当地域は県内有数の夏秋トマトの産地であるが、高温による収量の減少や人手不足・高齢化により産地の維持が課題となっている。安定生産を図るため、環境測定値の見える化と蓄積、環境制御装置と各機器が連動したシステムによる省力効果について検証し、技術を普及する必要がある。

(2)方法
夏秋トマト栽培のパイプハウスに、環境制御装置とかん水同時施肥装置(自動かん水装置+液肥混入機)、土壌水分センサ-、流量計を設置し、土壌水分、生育及び収量等を調査した。

(3)成果
○かん水同時施肥装置を用いた少量多かん水により、土壌水分が一定に保たれることが明らかになった (図2)。また、かん水・施肥に係る合計作業時間は、1/8程度に短縮された。
○近年、夏季の高温乾燥が著しく、管内全域で花落ちや花飛びが発生し、管内の単収量は年々減少しているが、実証ほの5ヶ年の平均単収量は、管内平均142%となった(図3)。


4)産地への波及効果
5ヶ年で、環境測定・制御装置4件、かん水同時施肥装置23件が産地に新規導入されており、今後さらに普及する見込みである。

図2. 土壌水分の変化(R6年8月)      図3. 6~8月の月別

実証担当農家・産地より

○ かん水の自動制御については、省力化に繋がったと実感している。遠隔のハウス環境の確認や、かん水装置、遮光幕の遠隔操作が可能となり、精神的負担が軽減された(実証担当農家より)。
○ 若手生産者を中心に環境測定・制御装置、かん水同時施肥装置への関心が高まっている。