キュウリハウスにおける環境測定装置による安定生産
実証の背景・概要
(1)背 景
○現 状
当産地では、キュウリの単位収量の地域間差が大きくなってきており 、低単 収地域 の収量改善が 課題となっている 。また、新規栽培者の定着 のためには、栽培技術の早期習得が 急務 と なって いる 。
○改善方向
産地内の高単位収量生産者のハウスの栽培環境を測定し、地域にあった栽培環境を数値化することで、低単収地域の栽培環境の改善、単位収量の改善のための基礎データとする。
(2)実証の概要
○導入機材及び面積
導入機材:ハウスファーモ(株式会社farmo)、
実証面積: 3.4 a
○技術の概要
栽培環境を測定し、データ(ハウス内:温度・湿度、照度、二酸化炭素 、
土壌中:温度・ 湿度 )は クラウド上で管理され るため 、ほ場から離れてもスマートフォンのアプリ等でリアルタイムに確認することができる(図1)。
クラウドへのデータ転送はファーモ通信エリアマップ内では 本機単体で通信可能で、稼働は太陽光発電と内蔵 バッテリーのため電源は必要ない。

図1 ハウスファーモ設置状況
実証の成果
(1)成果
○収量は、 収穫開始から終了まで、成り疲れ等による減少が少なく、地域平均(11.7t 10a )以上の 28.6t 10a となった(図2)。
○高単位収量生産者のハウス内温度は、1日の中で急激な温度変化が少なく、高温期を除き、各月の温度変化も少なかった(図3)。
○高温期も、1日の中で急激な温度変化 は 少なく 、緩やかな温度変化を維持した(図3)。
※高温期:令和4年度は7月に 40 を超える高温となった。
(2)課題
○導入費用 は 13 万円程度のため、費用に見合う増収効果が必要である。(面積 10a 、 単価 260 円 /kg 、 所得率 50% で試算すると、 約 1,000kg 10a以上の増収効果が必要
○栽培環境が一定の温度となるように管理しても、 40 を超える高温となるため、新たな高温対策が必要である。
(3)産地への波及効果
○環境測定を導入する生産者が増えた(令和2年4名 令和5年6名)。
○大規模生産者や新規栽培者で、導入を検討する生産者が増えている。
(4)今後の対応
○地域内の高単位収量生産者の栽培環境を基礎データとして、低単収地や、新規栽培者等への栽培指導に活用する。

図2 実証 ほ 場の積算収量(令和4年度)

図3 実証 ほ 場の日温度変化(令和4年度)
実証担当農家・産地より
○実証農家 から 、「換気やかん水等の測定値がわかるので、測定値に応じたコントロール量を判断しやすくなる」、「ほ 場から離れてもアプリで測定値を確認できるので便利」との意見があった。