ぶどう根圏制御栽培による早期成園化と省力化

令和7年度 県北農林事務所農業振興普及部

実証の背景・概要

○ぶどう根圏制御栽培とはビニールシート、遮根シートの上に盛土をし、土壌
と隔離した環境で栽培する。
かん水・施肥管理は、液体肥料等を自動液肥かん水装置を用いて、品種・栽培時期ごとに最適化した養水分を供給する。慣行栽培では、新植後3年程度は十分に苗を養成し、3~4年目以降着果させるが、本栽培法では、新植2年目で着果させるため、早期成園化が図れる。
右図は、根圏制御栽培(V字型2段仕立てオールバック型整枝)のイメージ図である。

 

想定する普及対象

○品目及び作型:ぶどう短梢栽培(例:「シャインマスカット」(出荷時期:9月~10月頃))
○生産者:早期成園化を図りたい生産者、耕作不適地でぶどうを栽培したい生産者

 

実証の概要

(1)背景・目的
○ぶどうは、栽培技術の要求度が高く、また、優良系統が次々と誕生しているが、改植に伴う未・低収益期間が長い。
○ぶどう根圏制御栽培では、定植2年目から収穫でき、品種ごとに適した養水分管理を行うため、早期成園化及び高品質・多収栽培が期待される。

(2)方法
○根域制限(盛土150㍑/樹、樹幹3m、列間3m)、令和元年定植
○V字型2段仕立て(オールバック型整枝)
○品種:「シャインマスカット」 「巨峰」 「ナガノパープル」など
○調査項目:収量、着房数、果実品質

(3)成果
○収量は、定植3年目で約1.0t/10aであったが、定植4年目以降は、2.0t/10a前後で推移し、早期多収であった。裂果率(「ナガノパープル」)は、令和5年のかん水・施肥量の見直し以降、低下し、品質が安定してきている。

4)産地への波及効果
○福島市、川俣町で新規就農者など13名、栽培面積約1.3haで取り組まれている。

図1. 収量、着房数の推移       表1. 「ナガノパープル」の裂果率の推移

実証担当農家・産地より

○令和元年定植で7年目になる、当初は、かん水・肥培管理が品種ごとに設定が合わず、裂果発生率が高かったが、5年目以降は裂果が減少し、収量も安定してきた(実証担当農家)。
○令和8年2月に安定生産方法の模索を目的に福島・伊達地域ブドウ根域制限栽培研究会を設立する。