なしのジョイントV字トレリス栽培の導入による早期成園化と省力化

実証の背景・概要

( 1) 背景

○ 現 状 :地域農業を支える品目の一つである当地域のなし栽培は、樹が老木化し収量が減少しているため、 新・改植による生産性の向上が必要とされる。しかし、従事者の高齢化が進んでおり、成園化に時 間がかかる新植及び改植は進まない状況にある。

○改善方向 :早期成園化が可能で、単収向上と管理作業時間の短 縮が可能となるジョイント栽培と、作業性向上(作業姿勢 改善)が図られるV字樹形を組み合わせ、実証展示を行い、当該技術の普及により、老木園の新植及び改植を促進し、生産性の向上を図る。

(2)実証の概要

○ 導入機材及び面積 Y字パイプ棚、 10a

○ 技術の概要

・ジョイントV字トレリス栽培(樹間 1.5 m × 列間 3.0 m 、主枝の高さ 80cm ・ 90cm

実証の成果

(1)成果

○ 10 aあたりの収量は定植5年目(令和5年 )では、 3,239 kg (計算値)で、慣行栽培の成木3,660 kg (計算値)の88 の収量が得られた 。定植6年目(令和6年)では、3,494 kg (計算値)で、 慣行栽培の成木3,941 kg 計算値) の89 の収量 が得られた。

(2)課題

○側枝が強勢になりやすく、側枝更新枝が主枝部から 発生しに くいため、側 枝更新方法が課題である。

○ 鳥害が発生しやすく。胴枯れ病が発生しやすいため、 ひこば えの処理が必要である。

(3)産地への波及効果

○ 当該技術は作業動線が単純化されることに加え、定植5年目から慣行栽培の成園並の収穫が可能となることが見込まれるため、老木園の改植を検討する好機となる。また、新規栽培者が導入しやすくなる。

○ 令和 6 年度現在、4戸の生産者が合計80aで取組んでいる。

(4)次年度の対応

○ 適期管理に努め、目標収量3,300 kg の安定確保を目指す。

○ 側枝 更新方法を検討する。

実証担当農家・産地より

○収穫作業が楽で、作業時間も軽減されている。懸念していることは、側枝の更新が円滑にできるかどうかであり誘引の手間もかかっている。(実証担当農家より)。

 

他地域での実証成果(相双)

他地域での実証成果(いわき)