環境制御装置及び高温対策技術の導入 によるトマトの安定生産
実証の背景・概要
〇導入機材
環境制御装置:Arsprout(センサー:温湿度、土壌水分、日射)
ドサトロンDR06GL(液肥混入機)、スナオタイマー、 ミスト冷房(クールネット
プロ)(図1)、遮光資材・遮熱資材(R6ファインシェードスカイ、R7レディヒート)
○ 技術の概要
・環境制御装置とかん水同時施肥装置及びミスト冷房を連動させ、環境に応じて自動制御することで、作業の省力化、生育・収量の向上を図る。
・ハウス環境の見える化により、データを活用した栽培管理を実施し、安定生産を図る。

図1. ミスト冷房
想定する普及対象
〇夏秋トマト:5~11月出荷の作型、(ただし、促成トマト、抑制トマトでも導入可能)
○生産者:栽培の省力化、安定生産を目指す生産者
実証の概要
(1)背景・目的
当地域は県内有数の夏秋トマトの産地であるが、高温による収量の減少や人手不足・高齢化により産地の維持が課題となっている。安定生産を図るため、ミスト冷房や遮光・遮熱資材等の高温対策の効果、環境測定値の見える化及び蓄積、環境制御装置と各機器が連動したシステムの省力効果について検証し、技術を普及する必要がある。
(2)方法
夏秋トマト栽培の連棟ハウスに、環境制御装置とかん水同時施肥装置(自動かん水装置+液肥混入機)、ミスト冷房、遮光・遮熱資材を設置し、省力効果及び高温抑制効果、生育及び収量への影響について調査し、検討した。
(3)成果
○実証ほのミスト冷房区は、気温及び飽差が低下し、トマトに適した生育環境に近づけることができた(図2)。また、ドローンによる遮光・遮熱資材の塗布に係る作業時間は、慣行の遮光幕設置・撤去に係る作業時間の1/9程度まで短縮された。
○花落数の減少及び収穫果数の増加が確認された(図3)。また、実証では、A品率が87%となり、産地平均の78%を上回った。
(4)産地への波及効果
5ヶ年で、環境測定・制御装置4件、かん水同時施肥装置23件が産地で新規導入されており、今後さらに普及する見込みである。

図2. ハウス内気温・飽差の変化
(R7年7/23~30の平均値)

図3. 花落ちと収穫果数の比較
(R7年、1~12果房の調査結果)
実証担当農家・産地より
○ かん水の自動制御については、省力化に繋がったと実感している。ミスト冷房+遮光・遮熱資材については、作業者の労働環境の改善にも繋がった(実証担当農家より)。
○若手生産者を中心に、環境測定や環境制御装置、かん水同時施肥装置、高温対策技術への関心が高まっている。