環境測定とミスト噴霧を組み合わせた高温対策
実証の背景・概要
(1) 背 景
○ 現 状:伊達地域はきゅうりの一大産地であるが、近年の異常気象により、収量や品質を安定させることが困難となっている。特に雨よけ栽培においては、長期出荷可能な作型として拡大しているが、夏期の高温による萎れや葉焼けの発生による草勢低下がみられている。さらに栽培者にとって夏期のハウス内作業は、過酷な労働環境で、作業効率の低下が課題となっている。
○改善方向: ICTを活用した環境測定とミスト噴霧を組み合わせた高温対策及び飽差管理を中心とした栽培技術普及のためモデル実証ほを設置し、関係機関と連携のもと効果を検証しながら、産地全体の収量や品質の高位平準化を目指す。
(2)実証の概要
○ 導入機材及び面積
共通:環境測定装置:アルスプラウト内気象ノード(サカタのタネ)
実証ほ面積:3a、定植日:令和6年7月21日
実証区:霧霧舞Ⅱ(MHC-2100)+ミクロンノズルS型
対照区:①設置無し②新換扇Ⅱ(FHC-2100)
○ 技術の概要:アルスプラウト内気象ノードによる環境(気温、湿度、日射量)測定し、ハウス上部に設置した簡易細霧冷房循環ファンを定植後から高温期にかけて、晴天時に噴霧を行う。
※参照:遮熱シートと通路散水を併用。

写真3(右下) アルスプラウト内気象ノード
実証の成果
(1)成 果
○高温により葉焼け・芯焼けが多発したことで、本技術に興味を示す生産者も出始めている。
(2)課 題
○ 利用する水質によって、ノヅルの裏の吸入口にゴミが溜まることにより、冷却性能が低下する可能性がある。
(3)産地への波及効果
○ 十分な水源を確保し、自動かん水装置によるかん水ができるほ場では、高温対策として導入が見込まれる。
(4)次年度の対応
○導入効果の実証を継続する。
○指導会等を通して、管内での高温対策実証モデルとして紹介する。

実証担当農家・産地より
○実証ほ設置が遅れ、高温時の生育障害等による草勢低下や品質収量差を確認できなかった。(実証担当者)