ドローンを活用した水稲湛水直は栽培
実証の背景・概要
(1) 背 景
○ 現 状:農家の高齢化により、担い手への農地の集積が進み、大規模経営体が生まれている。限定された作期の中で、広大な面積に作け可能な技術として、専用播種機による直は栽培の導入が進んでいるが、より効率的で安定生産に寄与できる新たな技術が求められている。
○改善方向:水稲の直は栽培について、地域への導入が進んでいるドローンを活用し、
播種・薬剤散布等の作業を効率化することにより、栽培の労力削減・低コスト化を目指す。
(2)実証の概要
○ 導入機材及び面積
・ 導入機材:ドローン、レーザーレベラー
・ 面積:30a×3筆=90a
○ 技術の概要: 基肥一発肥料の施肥(追肥なし)、分肥体系(基肥+幼穂形成期追肥)、レーザーレベラーによる均平化など、栽培条件を変え、播種から薬剤散布等の栽培管理をドローンにより実施した。
生育・収量・品質・食味等を調査しドローン直はの有効性を検証した。

実証の成果
(1)成 果
○播種作業は非常に短時間で終了することなどから、作業時間の短縮や作業人員の削減に効果的である。
○ドローンは、播種作業ばかりでなく、除草剤の散布なども短時間で済むこと、夏の高温時にほ場での作業を行わなくで済むことから、中間管理手段としても有効である。
○レーザーレベラーによる均平を実施したほ場は、土壌硬度が均一化し、苗立ちが安定する。
(2)課 題
○ドローンによる散播は、ほ場内での播種密度を均一にすることが、生育・収量の安定化につながる
○ほ場の土壌硬度が均一でない場合は、播種深度が揃わず、部分的に表面まきとなった場合は倒伏しやすくなることから、倒伏しにくい品種との組み合わせなど工夫が必要である
○生育状態が「条」とならないため、倒伏した場合、刈取に苦労する。
(3)産地への波及効果
○導入する条件を揃えれば、低コスト栽培技術として有効である。地域でも関心が高く、取り組み始めた農業者もでてきた。
(4)今後の対応
○どんな経営体でも、どんなほ場でも実施可能な技術としてではなく、特徴をよく理解し、経営の中で活用できる場面を想定し導入する必要がある。実績検討会等で成果をPRし、普及につなげていきたいと考えている。
実証担当農家・産地より
○今年は倒伏してしまったが、経営上有効な技術の一つと考えている。コシヒカリでぜひ成功させたい。