遠隔監視システムによる果樹生産の安定化
実証の背景・概要
○通い農業支援システムとは
農研機構東北農業研究センターが開発したシステムで、園地に設置した各種センサで測定した気象データを、小型コンピュータを経由してスマートフォンに送信することで、自宅などどこにいても園地の環境を確認できる。
本システムは、プログラミングの基礎的な知識が必要なものの、生産者が構成部品をすべてオンラインストア等から購入可能で、既製品より安価に製作できる。
これにより、温湿度データから凍霜害発生リスク等を自宅にいても把握可能となり、より速やかに凍霜害対策を行えることが期待できる。

想定する普及対象
○品目及び作型:露地果樹
○生産者:自宅と園地が離れている生産者、IoT技術を活用し栽培管理の安定化を行いたい生産者
実証の概要
(1)背景・目的
○春先の凍霜害の影響により、年次によって結実や果実品質のバラツキが大きい。
○「通い農業支援システム」を活用して、園地の温湿度をリアルタイムで測定し、凍霜害発生リスクの高いタイミングを把握することで、春先の凍霜害対策を速やかに行い、果実の安定生産を図る。
(2)方法
○管内5カ所(須賀川2カ所(りんご・なし)、鏡石(りんご)、石川(なし)、玉川(さるなし))の果樹園地に本システムを導入し、凍霜害対策として活用できるかを確認した。
(3)成果
○システム導入前(R5)と比べ、導入後(R7)は温湿度データを確認し、凍霜害対策を適切に行う事ができた。また、聞き取り調査では、防霜対策期間中の見回り時間が例年より短くなったとの意見があった。
(4)産地への波及効果
○果樹生産者のみならず、他品目の生産者からも興味を持たれる等、技術の周知が図られてきている。


図3. 凍霜害発生年度(R5)との比較
実証担当農家・産地より
○複数ある園地の中で一番気温が低下する園地に導入したところ、防霜対策期間中の見回り時間が例年より大幅に短くなった。一方、それ以外の期間はあまり活用の機会が無かったように感じる(実証担当農家)。
○地域の最低気温が把握しやすくなり、防霜対策に係る業務の効率化につながった(市町村及びJA担当職員)