トルコギキョウ作型適応苗による抑制作型の切り花長伸長

令和7年度 相双農林事務所双葉農業普及所

実証の背景・概要

○作型適応苗とは
慣行育苗された苗に一定の温度・光条件で追加の養成を行った苗。
200穴から288穴のセルトレイ苗について、本葉2対葉展開後から、20℃・20時間日長下で3週間管理することにより、出荷時の節数を1~2節程度増加させ、草丈の


図1. トルコギキョウ作型適応苗

 

想定する普及対象

○品目及び作型:トルコギキョウ抑制作型(出荷時期:9月~10月頃)
○生産者:高温による短茎開花を改善したい生産者

 

実証の概要

(1)背景・目的
○原子力災害後、風評の影響が少ない花き(トルコギキョウ)の栽培が始まったが、抑制作型での品質低下(夏季高温による短茎開花等)が課題となっている。
○切り花長の伸長が期待できる作型適応苗を導入することで、抑制作型における切り花品質の向上が期待される。

(2)方法
○プレハブ冷蔵庫(1坪)で作型適応処理した作型適応苗と慣行苗を定植し、切り花品質について調査した。

(3)成果
○作型適応苗は慣行苗と比べて切り花長が長くなり、節数
が増加し、上位出荷規格も多くなった(図2、3)。
開花時期(始期~終期) 作型適応苗 9月6日~9月11日
慣行苗 9月1日~9月7日


4)産地への波及効果
○近年の高温で抑制作型を休止していた直売所出荷者が興味を示すなど今後取組拡大が期待できる。

図2. 抑制作型の出荷規格割合(%)    図3. 開花時の草丈(左:作型適応苗、右:慣行苗)

 

実証担当農家・産地からの評価

○導入前の抑制作型では短茎開花で直売所出荷もできない切り花が多かったが、作型適応苗は切り花長が長くなり、ほとんど直売所出荷できた。次年度は品種数を増やし作型適応苗を導入したい(R6実証担当農家)。

 

前提条件

○想定の経営
労力 2名
栽培面積 トルコギキョウ 30a
内 半促成 10a
季咲き 10a
抑制 10a
ストック 10a
○栽培方法
栽植様式 20,000本/10a
抑制栽培(作型適応苗を定植)
7月10日定植

 

主な導入コスト

①作型適応苗の自家育苗に必要な資材例  ②作型適応苗を購入した場合(例)

経営モデル         <参考>規格別の参考単価

○経営モデルの補足説明

技術導入のメリット

○従来の抑制作型は短茎開花により出荷率が低くなる場合があるが、作型適応苗の導入により切り花長を確保でき、単価の高い規格の出荷割合が増加する。

技術導入の注意点等

○作型適応苗による切り花長伸長の効果は品種間差があるため、トルコギキョウ作型適応苗による抑制作型栽培マニュアル(仮称)を参照するとともに新しい品種の場合は試験的な導入により効果を確認した上で、本格的な導入に移ること。
○作型適応苗は抑制作型で効果があり、福島県内では7月定植の作型が良い。
○この技術は、切り花長の伸長に効果はあるが、その他の品質(例えば枝数(花数)の増加)には影響しない。
○生産者による作型適応苗処理には、電照可能な冷蔵庫が必要である。