ミスト冷房によるきゅうりの高温対策

令和7年度 県北農林事務所安達農業普及所

実証の背景・概要

○高温対策のため簡易細霧冷房(ミスト冷房)装置を施設内に設置し、ミスト噴
霧による気温低下と湿度コントロールにより、収量・品質の向上を図る。
○クラウドと連携した栽培環境モニタリングによりデータ解析を効率化し、装置
の運用方法を最適化する。
○施設栽培でかん水用として用いられるポンプ水圧で運用し、温度センサー、
タイマー一体型のバルブを用いて管理することにより、初期導入費用の低減を図る。また、一般的な細霧(300μ以下)より小さい微霧(30~100μ以下)となるノズルを用いて、拡散性や気化冷却効果の向上を図る。


図1. フォグDN740の墳霧状況

 

想定する普及対象

○品目及び作型: きゅうり 半促成栽培、抑制栽培(パイプハウスによる無加温栽培)
○生産者:パイプハウスによる無加温栽培において、盛夏期の品質保持と安定収量を目指す生産者

 

実証の概要

(1)背景・目的
○当地域は県内有数の露地を主とした夏秋きゅうりの産地である。
近年、夏季の高温・小雨等による収量減及び品質低下や高齢化に伴う担い手不足などにより、生産力の低下が懸念されている。そのため、夏季の施設栽培における高温影響対策として、簡易細霧冷房装置を導入して、栽培環境(温湿度)の最適化を図り、栽培管理の省力化や品質向上・安定生産に取り組む。

(2)方法
○パイプハウスに設置したセンサーからの信号により自動でノズル
から細霧を発生させ、ハウス内の温湿度を適切に管理する。

導入機材
・ミスト冷房装置 サンホープ製マイクロスプリンクラーDN740N-BK
・環境測定装置 Arsprout DIYキット3 内気象ノード

区の設定
実証区 半促成・抑制 3a (ミスト+環境制御) 令和8年作付け
対照区 半促成・抑制 3a(    無       )    〃

図2. 高温によるきゅうりの芯焼け    図3. 簡易なセンサー一体型バルブ

(3)成果
○令和7年9月2日 安達地域ICT活用園芸産地確立推進協議会設置。事業計画協議、現地検討会開催
○令和7年10月~7年作(抑制栽培)終了後に施設内に機器取付。12月上旬まで収穫のため機器取付のみ

4)産地への波及効果
○研修会、指導会などを通して実証事業の取組を周知。
高温対策と良果・安定生産技術に係る産地での実証を通じて、施設化の取組促進や生産拡大に向けて生産者の意欲を醸成する。

実証担当農家・産地より

○試運転では細霧の拡散性が良好だった。自動での運用と併せて導入効果に期待が大きい(実証担当農家)。
○産地では、令和8年の実証による成果から導入・運用マニュアルを作成し、普及拡大を期待。