ICTを活用した環境測定とミスト冷房によるトマトの収量及び品質の向上
実証の背景・概要
(1) 背景
○ 現状:近年の高温・乾燥といった気候変動に伴い、農作物の収量・品質が低下することで、産地規模が縮少している。
○改善方向: ICTを活用した環境測定と、ミスト噴霧による冷房技術と遮光技術を組み合わせた高温対策技術を確立し、夏秋野菜産地における技術の高位平準化と収量及び品質の向上を図る。
(2)実証の概要
○ 導入機材
・環境測定装置「Plantect」(バイエルクロップサイエンス株式会社)
・電磁弁「DoValve」(株式会社ティアンドディ)
・ミスト噴霧装置「クールネットプロ」(NETAFIM)
・遮光幕「ワリフ明涼(遮光率20%、30%)」(JX日鉱日石エネルギー株式会社)
○ 面積
・実証ほA:25a(実証区:20a、対象区:5a)
・実証ほB:12.5a(実証区:5a、対象区:7.5a)
○ 技術の概要
ハウス内に吊り下げ式のミスト噴霧装置を設置し、高温期に繰り返しミストを噴霧(晴天日またはハウス内温度30℃以上の日に10分間隔で15~20秒)することで、ハウス内温度の低下を図るとともに、落花や樹勢の低下を軽減し、収量及び品質が向上することを実証する。

図1 ミスト噴霧装置

図2 電磁弁
実証の成果
(1)成果
○夏期の晴天時にミスト噴霧を実施することで、ハウス内温度が低下した。
○ミスト噴霧及び遮光率の差による収量及び品質への有意差は見られなかった。
○ミスト噴霧による病害の発生・拡大は見られなかった。
(2)課題
○落花や樹勢の低下を防ぐのに適した噴霧間隔で噴霧するため、ミスト噴霧装置と生長点の距離を適正にする必要がある。
(3)産地への波及効果
○現地検討会でミスト噴霧が葉面散布にも併用可能であることや環境測定の有効性を紹介したことで、導入に関心を示す生産者が出てきている。
(4)次年度の対応
○ ミスト噴霧装置の設置位置や噴霧方向を調整し、より効果的な噴霧条件を検討する。

図3 晴天日のハウス内温度(実証ほB)

図4 現地検討会の様子
実証担当農家・産地より
○昇温抑制効果の他、葉面散布や急な晴天時の萎れ防止として効果発揮するため、省力化にもなる。
○噴霧条件を検討し、収量及び品質も向上することを期待したい。(いずれも実証担当農家より)